株式会社グローバルゲート公式ブログ

こんにちは、株式会社グローバルゲートのモーリーです。
先日10月31日はハロウィンということで、私の勤務先である大阪中心部でも多くの人出がありました。
ただ年々仮装の人は少なくなっている印象で、ハロウィン自体があまりよくないイベントという扱いになりつつあるような印象です。
ちなみにYoutubeで当日の様子を見ることができます(ライブカメラの録画)。こうやって見るとすごい人ですね...。
さて、今回はCloudflare(クラウドフレア)という企業についてご紹介したいと思います。
IT業界の方であればよくご存じの企業で、実際にサービスを利用されている方も多いと思いますが、一般の方がその名前を目にする機会はほとんどないかもしれません。
それもそのはず、Cloudflareはネットワークやサーバー、ドメインなど、インターネットの基盤を支えるサービスを中心に展開している企業だからです。私たちが普段利用しているWebサイトやWebサービスの裏側で、知らず知らずのうちにCloudflareの技術に触れていることも少なくありません。
そんなインターネットを陰で支える巨大企業、Cloudflareはどのような経緯で誕生し、どのような事業を展開しているのでしょうか。
Cloudflareの成り立ちから現在の事業内容、そして企業としての規模までをご紹介したいと思います。

Cloudflareは2009年にアメリカで設立されたIT企業です。本社はカリフォルニア州サンフランシスコにあり、2019年9月からニューヨーク証券取引所に上場しています。
2026年11月時点の時価総額は約870億ドル(日本円で約14兆円)。日本企業でいえばNTTやJTに匹敵する規模であり、日本での一般的な知名度こそ高くないものの、世界有数のIT企業へと成長しています。
同社が掲げるミッションは「Help build a better Internet(より良いインターネットの構築を支援する)」というものです。
もともとは迷惑メールの発信源を調査するプロジェクトから発展し、Webサイトをサイバー攻撃から守るセキュリティサービスとして事業を開始しました。
その後、事業領域を拡大し、現在ではWebサイトの高速化、ネットワーク接続、企業向けセキュリティ、クラウド上でのアプリケーション開発・実行環境など、60以上ものサービスを提供しています。
Cloudflareの最大の特徴は、世界各地に張り巡らせた独自のネットワークを活用し、さまざまなサービスを提供していることです。
通常、Webサイトにアクセスすると、ユーザーのブラウザはWebサーバーと通信し、ページを表示するためのデータを受け取ります。
一方、Cloudflareのプロキシ機能を利用したWebサイトでは、ユーザーとWebサーバーの間にCloudflareのネットワークが入り、通信を仲介するようになります。
これによって、不正なアクセスを遮断したり、Webサーバーに代わってコンテンツを配信したりできるようになります。
つまり、既存のWebサーバーに大きな変更を加えることなく、Webサイトのセキュリティを強化したり、表示速度を改善したりできるというサービスがCloudflareの骨子となります。

Cloudflareの歴史は、会社が設立されるよりも前の2004年にさかのぼります。
創業者の一人であるMatthew Prince(マシュー・プリンス)とLee Holloway(リー・ホロウェイ)は、当時インターネット上で問題となっていた迷惑メールに着目していました。
「スパムメールは、いったいどこからやってくるのか?」
この疑問から始まったのが、「Project Honey Pot」というプロジェクトでした。
Project Honey Potは、Webサイトに設置した仕組みを通じて、迷惑メール業者がメールアドレスを収集する行動を追跡し、悪質なアクセス元を特定するものでした。
このプロジェクトは世界中のWebサイト管理者から支持を集め、185か国以上から数千ものWebサイトが参加する規模へと成長しました。
ところが、利用者からは次のような要望が繰り返し寄せられるようになります。
「悪意のあるアクセスを見つけるだけでなく、実際に止めてほしい」
この声が、後のCloudflare誕生につながっていきます。
2009年、Matthew PrinceはMBA取得のために通っていたハーバード・ビジネス・スクールで、Michelle Zatlyn(ミシェル・ザトリン)と出会います。
MatthewからProject Honey Potの話を聞いたMichelleは、悪質なアクセスを追跡するだけでなく、攻撃そのものを防ぐサービスへと発展させることを提案しました。
2人はこの構想をもとに事業計画を練り始め、以前からMatthewとともにProject Honey Potを開発していたLee Hollowayも、サービスの試作を進めていきました。
そして2009年、3人の共同創業者によってCloudflareが設立されました。
ちなみに「Cloudflare」という社名は、「クラウド上のファイアウォール(Firewall in the Cloud)」という構想から生まれたものです。
当初は「Project Web Wall」という名前で事業計画を進めていましたが、Matthewの友人が「Cloudflare」という名前を提案し、それが正式な社名として採用されました。
こうして誕生したCloudflareは、翌2010年9月27日にサービスを一般公開し、本格的な事業展開をスタートさせました。

2010年6月、CloudflareはProject Honey Potの一部の利用者を対象に、試験的なサービスの提供を開始しました。
当初の最大の目的は、Webサイトをサイバー攻撃から守ることでした。
しかし、実際に利用したユーザーからは、開発チームにとって予想外の反応が寄せられます。
「Webサイトの表示速度が速くなった」
Cloudflareの公式な創業ストーリーによれば、テスターのWebサイトでは、平均して約30%の表示速度向上が報告されたといいます。
これは、CloudflareがWebサイトへの通信を仲介し、不正なアクセスを遮断するとともに、画像などの静的コンテンツをキャッシュして配信していたためです。
不正なアクセスによるサーバー負荷が軽減され、ユーザーに近いネットワークからコンテンツを配信できるようになったことで、結果的にWebサイトの表示速度まで改善されたのです。
こうしてCloudflareは、セキュリティだけでなく、Webサイトの高速化も大きな価値として提供するようになります。
そして2010年9月27日、スタートアップ企業の発表イベント「TechCrunch Disrupt」で、一般向けのベータ版を公開しました。
当時から無料で利用できるプランを提供していたことも、大きな特徴です。
高度なセキュリティ対策やCDNによる高速配信は、それまで大規模な企業が多額の費用をかけて導入することが多い技術でした。
Cloudflareは、こうした技術を個人のWebサイトや小規模な企業でも手軽に利用できるようにすることで、急速に利用者を増やしていきました。

その後、CloudflareはWebサイトのセキュリティと高速化を基盤に、事業領域を拡大していきます。
WAFによる不正アクセス対策、DDoS攻撃への防御、CDNによる高速配信、DNSサービスなどの機能を充実させ、世界中のWebサイトで利用されるサービスへと成長しました。
さらに、企業の社内ネットワークや業務システムを保護する「Zero Trust(ゼロトラスト)」関連のサービスにも進出します。
Zero Trustとは、社内ネットワークからのアクセスだから安全と考えるのではなく、ユーザーや端末の状態などを確認し、アクセスごとに適切な権限を判断するセキュリティの考え方です。
Cloudflareは、従来のVPNに代わるアクセス制御や、社員のインターネット通信を保護するサービスを提供することで、企業ネットワーク全体のセキュリティへと事業領域を広げていきました。
また、2017年には「Cloudflare Workers」を発表し、2018年から一般提供を開始しました。
これは、Cloudflareのネットワーク上でプログラムを実行できるサービスです。
開発者は自分でサーバーを構築・管理することなく、Cloudflareのネットワーク上でアプリケーションやAPIを動かせるようになりました。
現在では、データベースやオブジェクトストレージ、AIモデルの実行環境なども提供しており、AWSやMicrosoft Azureなどが手がけるクラウドコンピューティングの領域にも進出しています。
そして2023年、Cloudflareは自社のサービス群を統合する構想として「Connectivity Cloud(コネクティビティ・クラウド)」というコンセプトを打ち出しました。
これは、Webサイトの保護や高速化だけでなく、ネットワークの接続、企業のセキュリティ、アプリケーションの開発・実行環境などを、Cloudflareのネットワーク上で一体的に提供するというものです。
当初の「Webサイトを守る会社」という位置づけから、「インターネット上の通信やアプリケーションを幅広く支える会社」へと、事業を大きく広げているのです。

Cloudflareの事業規模を数字で見てみましょう。
2026年10月時点で公表されている主な数値は以下のとおりです。
項目 |
規模 |
|---|---|
設立 |
2009年 |
本社 |
サンフランシスコ(アメリカ) |
株式上場 |
2019年(NYSE) |
2025年の年間売上高 |
約21億ドル |
2026年第2四半期の売上高 |
約7億ドル |
有料顧客数 |
約33万件 |
大口顧客数 |
約5,000件 |
提供国・地域 |
125カ国以上、335地域 |
従業員数 |
約5,000人 |
2025年の年間売上高は前年比約30%増、2026年第2四半期の売上高も前年同期比36%増となっており、高い成長率を維持しています。
また、2026年6月末時点で、年間10万ドル以上を支払う大口顧客が4,000社以上に達しています。
無料プランで知られるCloudflareですが、現在では世界的な大企業も数多く利用するプラットフォームになっているのです。
※ ただし、2026年5月にはAI活用を中心とした組織再編に伴い、約1,100人規模の人員削減計画も発表されました。
Cloudflareの規模を象徴する数字として、同社が処理するインターネット通信量も驚異的なものがあります。
Cloudflareが2026年9月に公表した情報によれば、同社のネットワークは平均して毎秒約1億1,500万件のリクエストを処理しています。
また、Cloudflareは世界のWebトラフィックの約20%を中継していると説明しています。
※ Cloudflare自身からの発表による
私たちが普段閲覧しているWebサイトの中にも、Cloudflareのネットワークを経由しているコンテンツが多くあることでしょう。
Cloudflareは今や世界中のWebサイトやWebサービスを支える、インターネットに欠かせないインフラ企業の一つとなっているのです。


Cloudflareの事業領域は幅広く、競合企業も一社だけではありません。
もともとの主力事業であるCDNやWebセキュリティの分野では、Akamai TechnologiesやFastlyなどが代表的な競合であり、インターネットのインフラを幅広く支える点ではAWS、Google Cloud、Microsoft Azureといったクラウド事業者と事業領域が重なります。

Akamai Technologies
Cloudflareよりも前から世界的なCDN事業を展開してきた企業です。大規模なコンテンツ配信を得意とし、現在ではWAF、DDoS対策、クラウドコンピューティングなども提供しています。

Fastly
CDNやWebセキュリティを提供する企業です。リアルタイム性の高い配信制御や、エッジ環境でのプログラム実行などに特徴があります。

Imperva
Webアプリケーションのセキュリティ分野では、Imperva(インパーバ) なども競合します。Impervaは現在Thalesグループに属しており、WAFやAPIセキュリティ、DDoS対策などを提供しています。
企業ネットワークの保護やZero Trustの分野では、Zscaler(ゼットスケーラー) や Palo Alto Networks(パロアルトネットワークス) なども競合企業に挙げられます。
さらに、Cloudflare WorkersやR2などのクラウド開発基盤では、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud といった巨大クラウド事業者とも競合するようになりました。
特にAWSは、CDNのAmazon CloudFront、セキュリティ対策のAWS WAFやAWS Shieldなども提供しており、Webサイトの高速化・セキュリティというCloudflareの従来からの事業領域でも競合しています。
このように、セキュリティ・ネットワーク・クラウドという複数の巨大市場に影響を与える幅広い事業領域を展開しているのがCloudflareです。

Cloudflareの成長を支えてきた仕組みの一つが、「フリーミアム」と呼ばれるビジネスモデルです。
フリーミアムとは、基本的な機能を無料で提供し、より高度な機能やサービスを有料で提供するビジネスモデルのことです。
Cloudflareも多くの基本機能を無料で提供しており、Webサイトの運営者は、まず無料プランから気軽に利用を始めることができます。
その後、より高度なセキュリティ機能や細かな管理機能が必要になった場合、有料プランに移行したり、追加サービスを契約したりする仕組みです。
こうしたフリーミアムモデルによって、個人の開発者や小規模な企業にも利用が広がり、世界中にCloudflareのサービスが普及していきました。
そしてCloudflareを利用するWebサイトが増えるほど、そのネットワークを経由する通信も増加していきます。
Cloudflareは、こうした膨大な通信から得られる情報をもとに、世界中のサイバー攻撃やBotの動向を分析し、新たな脅威への対策に活用しています。
また、同じネットワーク上でCDNやWAF、DNS、アプリケーション実行環境などを提供できるため、新しいサービスを追加する際にも、既存の基盤を活用しやすいという特徴があります。
こうしたフリーミアムによる利用者の拡大と、ネットワーク基盤の効率的な活用が、Cloudflareのサービス拡充と成長を支えてきたと考えられます。
もっとも、売上高が急成長する一方で、米国会計基準による2026年第2四半期の最終損益は赤字でした。事業規模の拡大と収益性の向上は、必ずしも同じペースで進んでいるわけではありません。

近年、Cloudflareが力を入れている分野の一つがAIです。
Workers AIでは、同社のクラウド基盤上でAIモデルを実行できます。
AI向けのAPI管理サービス「AI Gateway」、ベクトルデータベース「Vectorize」、RAG検索を支援する「AI Search」など、AIアプリケーションの構築に必要となるサービスが続々と登場しています。
今後、AIエージェントがWebサイトやAPIへアクセスする機会が増えると、人間だけでなくAI同士の通信も重要になります。
Cloudflareは、このようなAI時代の通信やセキュリティ、アプリケーション開発を支える基盤にもなろうとしています。
迷惑メールの送信元を追跡する小さなプロジェクトから始まった会社が、今ではインターネット全体を支え、そしてAIのための土台ともなろうとしているのです。
ということで、今回は当社もお世話になっているCloudflareがどのような企業なのか、その創業から現在までをご紹介しました。
Cloudflareの歴史を振り返ると、出発点は非常にシンプルでした。
迷惑メールを追跡する仕組みを作り、次に悪意のあるアクセスを遮断するサービスを開発する。そして、その仕組みを活用してWebサイトを高速化し、世界中のWebサイトへと普及させていく──その普及を支えたのが、基本機能を無料で提供する「フリーミアム」というビジネスモデルでした。
高度なセキュリティや高速化の技術を、個人や小規模な企業でも手軽に利用できるようにしたことで、Cloudflareは利用者を増やし、世界規模のネットワークを築いてきました。
さらに、そこで培った技術とネットワークを活用し、DNS、企業向けセキュリティ、クラウド開発基盤、AIなどへと事業領域を拡大してきました。
私たちが普段利用しているWebサイトの裏側では、こうしたさまざまなサービスが動いています。
Cloudflareは現在、Webサイトの保護や高速化を提供する会社という枠を超え、インターネットの仕組みそのものを支える企業の一つになっています。
今後、クラウドやAIの活用がさらに広がるにつれて、Cloudflareがどのような進化を遂げ、インターネットにどのような変化をもたらしていくのか、注目していきたいと思います。
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Webサイトの活用方法からオフィスのネットワーク整備まで、多角的にITの活用方法をご案内させていただきます。

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